油絵具には大きく分けて、透明色と不透明色の2種類があります。
何か違いがあるの? と、思いきや
この2つの違いを知っていると知らないとでは、作品の出来が大きく変わってきます。
実は、透明色と不透明色では使い方がまったく違うんです。
というわけで今回は、この2種類の絵具の特性と、それぞれの効果的な使い方を解説します。
答え
その名のごとく
- 透明な色が透明色
- 不透明な色が不透明色
です。
メーカーによって違いはありますが、主な色を分類すると大体こんな感じです。
透明色
- クリムゾンレーキ
- ローズマダー
- ビリジャン
- サップグリーン
- ウルトラマリン
- プルシャンブルー
など
不透明色
- ホワイト
- カドミウムレッド
- バーミリオン
- パーマネントイエロー
- パーマネントグリーン
- コバルトブルー
- セルリアンブルー
- コバルトバイオレット
- イエローオーカー
- バーントアンバー
- バーントシェンナ
- アイボリーブラック
など
透明色のほうが少ないですね。
特にイエロー系の透明色は、けっこうレアです。
また、これらの中間の半透明色というものもあります。
透明色
特徴
透明色というだけあって、色のついたガラスのような透き通った色です。
絵具のチューブから出した時点では、暗い色をしていて
画溶液などで薄めると明るく鮮やかになり、その濃度によってグラデーションができます。
プルシャンブルー
一色の絵具で、ほぼ黒からほぼ透明まで作れます。
透明色にホワイトを混ぜると、すべての色が不透明色になります。
主な使い方
グレーズに使う
基本的に透明絵具はそのまま使わず、画溶液(メディウム)などで薄めてから使います。
水彩画のような感じで明るく描いてもいいですし
何層も重ねれば色に深みと重厚感が出て、より油絵っぽい画面になります。
不透明色と半混ぜ
マーブル状のいい感じのトーンを作れます。
ラフに描くときに相性が良いのですが、細密描写をするときにも使えます。
インパスト(厚塗り)
実は厚塗りもできます。
透明絵具を流動的にすることなく色だけを薄めるメディウムというものがあって
それを混ぜることで厚めに塗ることができます。
不透明色
特徴
チューブから出した時点で、明るい色が多いです。
透き通っておらず、画溶液を混ぜても明るさが変わることなくグラデーションになりません。
コバルトブルー
不透明色を希釈しても透明色にはならず、濁った液体になります。
基本的にはチューブから出した状態のまま薄めずに使います。
主な使い方
プリマ描き
不透明色だけでダイレクトに描いていく画法ですね。
乾燥を待ったり重ねたりする必要もなく、一層でどんどん描いていけます。
描き起こし
グレーズと組み合わせながら薄めに重ねて描きます。
透明→不透明→透明→不透明・・・と
交互に重ねて描いてゆくことで、かなり緻密な描画ができます。
この描き方で制作すると、古典的な光沢と堅牢性を持った画面になります。
インパスト(厚塗り)
ゴッホのような描き方、といえば分かりやすいでしょうか。
硬い筆やナイフなどで絵具を厚く盛る手法で、独特の絵肌や物質感が出ます。
まとめ
透明なコーヒーと不透明なミルクが混ざり合うところ・・・
- 油絵具には透明色と不透明色の2種類がある
- 透明色は薄めて塗るのが基本
- 不透明色は厚く塗るのが基本
これらの基本の使い方を押さえたうえで
2種類の絵具を組み合わせれば、さらに表現の幅が広がります。
乾燥させてから塗り重ねたり乾燥させずに半混ぜにしたり・・・
無数の使い方ができますので、いろいろ試してみてください。
それでは最後まで読んでいただきありがとうございました。